英国製!Norton Motorcycle 650SS 英車 ノートン AMALキャブレターオーバーホール「バイク」
2017/01/12
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Norton Motorcycle 650SS AMALキャブレターオーバーホール
この前のブログでは「バイク」Norton(ノートン)650SSの入庫のお話をしました。
まだ読んでいない方はご覧ください。
Norton/ノートン 650SSのエンジンがかからない修理
キャブレター本体を取り外す前に
入庫した時には数年間以上保管したままでしたので、「エンジンがかからない」と言うこともあり、燃料を入れてキックはしませんでした。
エンジンのかかる条件の一つで「良い圧縮」の確認でのキックはしました。
2気筒と言ってもやはり重たい・・・。
ヤマハの単気筒エンジン、SRの事を思い出しながらキックをけりました。
とりあえず、抵抗も感じる・・・。
エンジンのかかる条件の「良い混合器」を作るキャブレターを分解する事にしました。
キャブレター本体の脱着
長期にわたり保管しておいてると、50ccの単車や大型バイクでエンジンかからないの原因はキャブレターがほとんどです。
日本のバイクと違いイギリスのバイクですので、やはりインチ工具が必要となります。
それでは、FRP製の燃料タンクを取り外します。
もともとイギリス車のジャガーディーラのメカニックをしていたのでインチ工具があるのでキャブレター本体はなんの問題もなく取り外しました。、
過去に数えれる程のバイクのキャブレターを外しましたが、大型バイクの中ではこのNotrton(ノートン)6500SSはファンネル化しているでのキャブレター本体の取り外しは簡単でした。
しかしなぜ???
国産のバイクではほとんどあるがずの物がないからです。
キャブレター本体と言っても、キャブレターの周りの補機類を取り外すのですが、まずチョークバルブのワイヤーなどなく、キャブレターが2個の割にはそれぞれ単独していてアクセルリンクの様な同調関係の品物もないからです。
かなりシンプルなキャブレターですね。
キャブレター本体確認
キャブレターのメーカの確認です。
日本のバイクですと、ミクニやケイヒン、CRのメーカーが有名です。
イギリスのバイクはどうでしょうか?
キャブレターのメーカーは「AMAL(アマル)」の様です。
そんなにバイクの事を知らない私には初めて聞いた名前です。
イギリスメーカのキャブレターならば部品の入手も困難になりそうな予感がしてきました。
しかし、現在インターネットと言う便利なものがあるのでキャブレター分解前に確認してみました。
ありました!
イギリスのバイクでは、このAMALのキャブレターは主流だったみたいです。
キャブレターのフロート部には紙の材質の様なガスケットで、やはり長期間保管ということもあり新品に交換したいですよね。
更にインターネットで部品を調べていくとありました。
イギリスにバックオーダーなんかなると日にちが・・・。気になる。
気になる在庫の確認もとれました。
すぐに発送も行ってくれたので、キャブレターを分解します、
AMAL/アマルのキャブレターオーバーホール
キャブレターのフロートタンクから取り外します。
やはり紙の性質のガスケット・・・。
取り外し時に破れました。
先に部品を注文しておいて安心しました。
フロートタンクを外すと、そんなに汚れがついていなし。
やはり、エアークリーナやエアクリーナボックスを取り外して、ファンネルタイプに交換するとフロートタンクに残った燃料は蒸発しやすいのかな?
長期間のらずに保管していたバイクでエアクリーナーやエアクリーナーボックスのついた状態のノーマルタイプのキャブレターを取り外すと、赤茶色で燃料の混合物?とサビがあるんですけどね。
これは、キャブレターのドレンを緩めてキャブレター内の燃料を抜く事である程度解消できます。
みなさんは、こうならないために乗らなくなったバイクはキャブレターの燃料はに抜いておきましょう。
話は戻りますが、少しずつこのAMAL(アマル)のキャブレターの構造がわかってきました。
先ほど、キャブレターを取り外したときの話で「チョークバルブ」のワイヤーがない!。
の話をしたのを覚えているでしょうか?
このAMALのキャブレターのチョークは調整用スクリューの側にあるボタン?みたいです。
これを押すことにより、強制的にフロートタンクの中にあるフロートが押し出されて燃料タンクから燃料を供給しオーバーフローさせることで冷間時の混合気を濃いめにしているみたおです。
これって・・・。どれくらい押すのでしょうね。
押したらないと、濃い混合器ができないし、押し続けると本当にオーバーフローしてスパークプラグをカブらせてしまいそうです。
これも慣れていくしかないんでしょうね。
国産バイクのキャブレターですと、チョークバルブの構造が異なります。
国産バイクによくついているミクニ等のキャブレターでのチョークとは、燃料を濃くしたり薄くしたりするのではなく、エアーをバイパスさせる事で回転数を上げているのです。
CRのキャブレターにつきましては、スロットルと連動させてアクセルを開けるとポンプの様な働きができて余分に燃料を噴射させてからエンジンを始動させる事ができます。
これは車のキャブレターも同じ構造を持っております。
車のキャブレターのチョークバルブはスロットルバタフライより上部にバタフライをつけて、それを締めることにより空気量を少なくして濃い混合器を作っております。
バイクで簡単な説明ですと、ファンネルに手をふさいでいる状態です。
さて、キャブレターフロートタンクを外したとこで話が少しずれましたが、更にキャブレターの中身を分解していくと、メインジェットが現れてきます。
メインジェットのポートを確認すると・・・。
詰まりもなく、覗いてみても向こう側が見れます。
部品が届くまで時間がありますので、キャブレター洗浄剤につけて放置ですね。
AMAL/アマルのキャブレター組み付け
注文して数日後にキャブレターオーバーホールキットが届きました。
値段を見て驚きました。
意外と安い!国産車のバイクより安い!
さて、キャブレターもいつ部品が来てもいいように清掃は完了していたので組み付けるだけ。
そして、あとはNorton 650SSに組み付けるだけ
これもすんなりとNorton 650SSに取り付けました。
これでエンジンのかかる条件の「よい混合基」は完成
きっとエンジンがかかるはずだ。
このエンジン、どんな音がするか楽しみです。
Norton 650SSエンジン始動するときがきた!
スパークプラグのチェックをすると新品の様なスパークプラグがついていた。
これが1度もエンジンがかかっていないスパークプラグに見える。
おそらく前所有者様がエンジンをかけようとし、スパークプラグを交換していたみたいです。
エンジンをかけれずそのまま放置だったのかも。
ついでにスパークプラグを外して状態でキックペダルを蹴りました。
楽勝に蹴れます。
軽いです。
エンジンオイルも交換し、燃料タンクに燃料を入れてエンジンに火がはいるときがきました。
エンジンオイルの潤滑方式はドライサンプ式で、オイルタンクのコックも開けてキックするときがきました。
インターネットで調べていくうちにわかったのですが、Nortonのバイクで、エンジンオイルのコックを空け忘れてエンジンが焼付く事もよくありそうです。
まず、あのチョークボタンは押さずに蹴ってみようかと思います。
デコンプがないのでピストンを上死点に合わせて蹴りました。
久々のキックペダルを蹴ったせいか、キックペダルおりません・・・。
エンジンの焼き付きでもありません。
キックペダルは私の体重約65Kgを支えたまま。
あまりにも重たすぎてキックペダルがおりませんでした。
これ・・・。あかんわ・・・。
単気筒エンジンのヤマハのSR400が、排気量が400ccのシングルピストン。
このNorton 650CCは2気筒で1気筒あたりの排気量が約325CCのピストン。
1気筒当たりの排気量がNorton 650CCの方が若干すくないけど・・・。
やっぱりキックは重たいのねー・・・。
凹みました。
気を取り直して近所の単車屋さんを呼んでキックペダルを蹴ってもらうことにしました。
やっぱり慣れた方は違いますね。
私より小柄な体系でもすんなりとキックペダルは勢いよくおりてます。
キックペダルの蹴り方のコツを教えてもらって再度挑戦すると、やはりコツですね。
勢いよくキックペダルはおりました。
しかし、エンジンはかかりません。
AMALキャブレターのチョークボタンを押してみよう。
押しすぎたせいか、ファンネルから大量の燃料があふれてきます。
それでもキックペダルを蹴ってもエンジンの初爆が感じられない。
これは点火系統もダメなのかも・・・。
再度スパークプラグを外そうとしたその時に目に入ったのは・・・
エンジンとミッションを繋ぐチェーンカバーあたりから大量のエンジンオイルが・・・。
チェーンカバーを外して確認すると、クランクシャフトからのオイル漏れがありました。
オイル漏れ修理も追加に・・・
スパークプラグの火花確認をしてみると、青色の火花だが若干火花が弱い。
やはり点火系統も修理しなくては・・・。
この写真は、エンジントミッションをつなぐチェーンカーバーを取り外して確認したオイル漏れの状況です。
クランクシャフトのシールって、部品でるのかな?
今、オイル漏れ修理はどうにもならないんで、点火系統の診断をしていきます。
スパークプラグの再確認をし、プラグコード、イグニッションコイルを点検。
あと、イグナイターを探したけれどどこにもない。
そうだった・・・。
忘れていたがこのNorton 650SSは車体番号からだが年式は1971年10月~1973年3月で今から45年から47年前のバイクです。
イグナイターの様なトランジスタ型なんてありえないのだ。
もしかして、点火方式はポイント接点方式?
ポイントなんて消耗品だから交換していきたいんだけど、これも部品の入手なんてできるのか?
気になるところです。
ここにポイントらしきものが存在しているケースがあるので確認をすることにしました。
ありました。
ポイントがありました。
しかし、思っていたポイントの構造を全く違うので驚きの方が大きかったのです。
再度、単車屋さんを呼んで見に来てもらいました。
見て説明したら「なんじゃこりゃ?」と。
文字で説明しずらいのですが、国産車のポイントは、ポイント自身が接点をON-OFFを繰り返すのに使う動力が中心あり、カムシャフトと連携してポイント中心部のシャフトが回転し、ポイント自体は固定しているのに対して、このNorton 650SSは中央部のシャフトも回転するのですがポイント自体も一緒に回転するのです。
今日のキャブレターの構造もそうだけれど、ブレーキペダルとミッションペダルが国産バイクと逆、そしてこのポイント・・・。
構造の違いが多くてビックリです。
この調子だとなかなかエンジン始動まで時間がかかりそうです。
この点火系統の修理とエンジンオイル漏れ修理は後日のブログにてアップしていきます。
こちらはNorton 650SSが入庫した時のお話となります。