三菱/ekスポーツ(H82W)~エンジンがかからなくなる修理~+エアコンが効かない修理~「自動車」
2017/01/12
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三菱EK SPORT(H82W) エンジンがかからなくなる修理とエアコンが効かない修理
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車は、三菱自動車のEKワゴンのスポーツ版、EK SPORT。型式はH82W。
エンジン型式は3G83のターボエンジンである。
ある日1本の電話から
ある日、お客様からのお電話で車が急に調子が悪くなりエンジンが止まり再始動ができなくなったとの事。
お客様はJAFのロードサービスの会員であったのですでにJAFに連絡しレッカーの手配をしておりましたのでお客様の車を運ばれてくるのを待つことにしました。
数時間後にレッカーが到着し、エンジンをかけてみるとなんの問題もなくエンジンが始動してしまいすぐには症状を確認する事ができませんでした。
ロードサービスの方のお話を聞いてみると、積載車に積み込み時はエンジンが全くかからないどころか、スタータすらも回らず、バッテリー上がりと判断し、バッテリーをつないでみたようなのですが、それでもエンジンはかからず、ワイヤーで積載車まで積み込みお客様との手続きを行った後エンジンをかけてみたら、かかりずらい状態であったもののエンジンは始動し、しばらくするとエンジンが止まったと言う。
しかし、こちらに到着してからすぐにエンジンが始動し、今でもアイドリングは安定している状態で現在症状が出ていないようである。
これは、「時々におこる不調」と判断しお客様に症状がでるまで診断に時間をかかる事を説明し本日は終了しました。
基本点検から
翌日、再度エンジンをかけてみるとやはり何の問題もなくエンジンは始動しアイドリングも安定している状態。
エンジンが始動できなくなる原因は3つ。
●「良い火花」
●「良い圧縮」
●「良い混合器」
の3つである。
まずは、簡単にできるところから診断をしていきましたが現在何の問題もなくエンジンが始動できアイドリングも安定しているので、どれひとつ問題はありませんでした。
次に、エンジンコンピューターに履歴が残っていないかを確認することに。
使用する診断機は以前から使用している「LAUNCH」のX-431ダイアガンを使います。
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しかし、このランチテックのX431ダイアガンを使用してエンジンコンピューターを診断しても、ダイアグノーシスにはPコードと呼ばれる故障コードがなく正常をしめしている。
はっきりいって、これは故障を起こした原因となる「ヒント」となるものが全くない状態である。
考えていても時間だけが過ぎていくので試運転に出ることにしましたが、エンジンの加速なども調子がよく何の問題もありませんでした。
しかし、そこで気になるのがたまに「カチッン!」と音がするのが気にはなっていたものの、まさかこの「カチッン!」の音が故障を引き起こした原因となるのが、この時には全くわかりませんでした。
試運転中、暑くなりエアコンを入れてみるとエアコンが全く効いておらず、送風だけがでていたので、一度戻ってエアコンの点検をすることにしました。
エアコンが全く効かない修理
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エンジンの不調が出ないので先にエアコンの診断を行う事にしました。
エアコンの基本点検にかかせないのが、このマニホールドゲージ!
エアコンの基本点検方法に関しては以前のブログで案内しております。
こちらのリンクをクリックするとジャンプします。
エアコン点検方法はこちら
このEKSPORTにエアコンマニホールドゲージをつないでみると、高圧側・低圧側のエアコンのガスの圧力は0を指している。
これは全くエアコンガスがない状態である。
どこかにエアコンガスが漏れているようですのでこのままエアコンガスを1本注入してエアコンのガス漏れ箇所を探してみると、エアコンガスを入れた瞬間に「シュー」と音がしてくる。
とりあえずガスがあるうちにエンジンをかけてエアコンシステムをチェックしました。
室内に戻りエアコンガスが入ったので冷たい風がでてくるのを確認しエンジンを切ってエアコンガスの漏れ点検をしようとしましたが・・・。
エンジンを切って鍵を抜いているのにもかかわらず、エアコンのブロワーファンが回っている。
通常ならばエアコンのブロワーファンはイグニッション電源を使用しているためイグニッションOFFにするとエアコンのブロワーファンがスイッチを入れているにもかかわらず停止するはず。
しかし、このEKスポーツはイグニッションOFFにしても鍵を抜いてもまだエアコンのブロワーファンが回っている。
ブロワーファンスイッチの風の風量を切り替えてもさらに風の強弱が付くだけで泊まろうとしない。
やっと、ブロワーファンのスイッチをOFFにするとやっとブロワーファンがとまりました。
おそらく、ブロワーファンリレーか、エアコンコンピューター等のトラブルがあるようである。
再度、イグニッションOFFでブロワーファンスイッチを切り替えても風が出ないことを確認し、エアコンのガス漏れを先に点検する事にしました。
エアコンガスの漏れている音をたどっていくと、エアコンガスの漏れの場所はフロントバンパー付近にあるエアコンコンデンサー付近とわかりフロントバンパーを取り外す事にしました。
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フロントバンパーを取り外すとエアコンガス(R134a)が漏れてエアコンコンプレッサーオイルがにじみ出ている所を発見しました。
これは、エアコンコンプレッサーから出ている低圧側の配管とエアコンコンデンサー本体が接触しこすれあってアルミ素材のエアコンコンデンサーの肉厚がどんどん薄くなり穴があいている。
これは、低圧側配管にはスポンジをまいているが、このふたつが車の振動やエンジンの始動などでどんどん削れていき、エアコンコンデンサーに穴があいたようである。
低圧側配管と、エアコンコンデンサーにもっとクリアランスが十分にあればこんな事にならなかったのであろう。
もしかすると、三菱のEKスポーツに限らず、EKワゴンもこのようなトラブルが多いのではないでしょうか?
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今回は、エンジン不調での出来事であり、エアコンが効かない事はお客様から聞いていないので、エンジン不調になる頃の話を含めエアコンはいつごろから効かなくなったのか確認する必要がでてきました。
さらに翌日に・・・。
お客様と連絡する前に再度車に行き状況を確認していると、前日は普通にエンジンがかかっていたEKスポーツが、今日はエンジン始動する前にキーレスリモコンでドアが開かない。
もちろん、ドアを開けてスターターも回らないどころか、イグニッションをONにしてもメーターランプすら点灯しなくなっている。
各スイッチを見ても、ヘッドライトやスモールライト、エアコンブロワーファン、エアコンスイッチもOFFになっている。
バッテリーブースターパックをつなぎ、エンジンを始動するとエンジンがすんなりと始動はできる。
これはかなりの漏電をしているのに間違いがなさそうである。
エンジンルームと室内のリレーボックスを探し手を当てるとエンジンルーム内にあるリレーが温かくなっている。
そのリレーを確認すると、エアコンマグネットクラッチに電源を流しているリレーである。
再び、ランチテックのX431ダイアガンを用意してエアコンコンピューターのデーターロガーを確認し、エアコンコンピューターが信号を出しているのかの確認をします。
ブロワーファンスイッチとエアコンスイッチをOFFにしエアコンコンピューターの入出力の信号を確認し、エアコンコンピューターが信号をだしていないのにかかわらずエアコンリレーとエアコンブロワーファンがONになっている。
ここからは配線図と部品表を確認しながら再度サーキットテスターで確認し、各リレーが不良しているのに間違いないようである。
よく考えると、試運転中にも「カチッン!」と音が聞こえていたのもエアコンリレーがONになり、エアコンマグネットクラッチがONになる音と気づきました。
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現在、エアコンガスは完全に抜けているのでこれ以上の確認はできないが、おそらくエアコンスイッチがOFFにもかかわらず、エアコンリレーがONになりアイドルアップが効かないままアイドリング不調を起こしてエンストやアイドリング不調になり、停車中などもリレーがONになることでバッテリーの漏電が進みエンジン始動できなくなったと予測できる。
お客様と連絡
エンジン不調の経過状況のお話を含め、エアコンが効かない事をお客様に連絡すると意外な話がでてきました。
エンジン不調になる前に、エアコンをOFF、ブロワーファンスイッチをOFFにしていてもたまに冷たい風がでてくる事がわかりました。
ブロワーファンスイッチをOFFにしたことと、エアコンスイッチをOFFを両方ともしたかを念のため聞いてみると、どちらもスイッチをOFFにしても冷たい風がでたのを確認しました。
これで、すべてもつじつまがあいましたので不良個所の修理や交換で改善できる事をお伝えしました。
まとめ
予防対策として、エンジンルームだけでも、ヘッドライトのLOとHI、ホーンリレーなどいろいろな同じ形のリレーがついているので、ここのリレーの交換したほうが良いかと思います。
室内にもブロワーファンリレーやパワーウインドリレーも同様です。
あと、エアコンマグネットクラッチもずっと電源が流れっぱなしになっていたので、エアコンコンプレッサーのマグネットクラッチの交換もお勧めします。
今回のEKスポーツの故障原因はひとつではなく、複数の原因か重なり合っていたようである。
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