トヨタ/カルディナ(AZT241W)エンジンがかからない修理!原因はオルターネーター!「自動車」@くるまにあ
2017/01/17
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トヨタ自動車/カルディナ(AZT241W)エンジンがかからない修理!原因はオルターネーター!
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車は、トヨタ カルディナ(AZT241W)
エンジンはツインカムエンジンの2000cc 1AZ
エンジン型式が1AZと言うと、エスティマやラブ4、アルファードに搭載されている2400ccの2AZと同じエンジン部品が中国製が多くメカニカルノイズ音が大きめのエンジンです。
余談となりますが、1AZ,はカルディナやノア、ボクシィー。
2AZエンジンはエスティマやラブ4、アルファード。
この1AZと2AZエンジンの搭載車両はエンジンの不具合によりメーカーが保証期間を延長したサービスキャンペーンを実施しております。
詳しくは車検証を用意してディーラーに聞くと教えてくれます。
ある日の1本の電話から
ある日、お客様から電話がありエンジンから異音がでていて異臭もするとの事。
この車は約18万キロも走行している車であり、以前にエンジンオイル交換を実施した時にも、そろそろウォーターポンプが心配であると話をしていたところである。
エンジンの異音と異臭。
電話では詳しくわからないのであるが、「異音」と「異臭」で、もしかしてウォーターポンプを疑いました。
できれば走行を中止してこちらに入庫をしてもらいたいのですが、お客様の都合で今すぐにこれないとの事。
しばらくして、再度電話があり「異音」と「異臭」は消えてなんの問題もないと電話で報告がありました。
念のため、ボンネットを開けてもらいラジエターのサブタンクの水の量と水温計、ヒーターが正常に効いているかと尋ねたところ、すべてにおいて問題はないと言う。
異音修理は車のオーナーさんと同乗してどの様な異音かを聞かないと間違って修理してしまう誤診があるので、現在は音がしていないとの事で確認はできじに後日入庫する事にしました。
それから1時間後・・・。
1時間くらい経過して再度お客様から電話がありました。
「出先でエンジンがかからなくなってしまいました。」と言う。
よく話を聞いていると、セルモーターが回らないことが判明。
ヘッドライトやルームランプのつけ忘れもなく自然にセルモーターが回らないようである。
以前のオイル交換実施時には、バッテリー単体テストをして1か月も経過しないのにバッテリー上がりを起こすとは・・・。
もしかして、オルターネータ等の充電系統を疑いました。
お客様のいる現場が遠いことから、お客様は損保ジャパン日本興亜損保の保険の加入者である事から、まず「損保ジャパン日本興亜のロードアシスタンス」に電話をしてレッカーの手配をする事にしました。
レッカーが来て、バッテリーをつなげてもらいセルモーターが回りエンジンが始動したが、バッテリー電圧が12V付近しかなく、オルターネーターが充電していない事からレッカーで搬送される事になりました。
尼崎市から和歌山市にロードアシスタンスのレッカーに搬送された車が到着
レッカーで搬送されるカルディナは、兵庫県の尼崎市から「くるまにあ」のある和歌山県和歌山市まで搬送されてきました。
積載車タイプのレッカーに積み込まれたカルディナは、もちろん自力でエンジンがかからないのでブースターパックをつなげてレッカーの積載車から降ろすのですがバッテリー電圧が低すぎてブースターパックを切り離すとエンジンが止まってしまうほどに。
なんとか駐車場までカルディナを降ろし現状を確認したところ、全くバッテリー電圧があがらず11V付近である、
そして、「異音」と「異臭」の確認もとれました。
オルターネーターの充電系統と判明したのですが、夜も遅いことから詳しくは翌日に診断する事にしました。
充電系統の診断
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翌日、カルディナの充電系統の診断をしました。
まず、オルターネーターにかかっているファンベルトの張り具合を確認。
このカルディナの1AZエンジンのファンベルトはオートテンショナー付でファンベルトの張りは自動調整でありファンベルトの張り具合は問題がない。
次にテスターを使いエンジンをかけバッテリー電圧およびバッテリーのリプル波形を測定します。
使用するテスターはバッテリー電圧のリプル波形を測定するのにかかせないボッシュのPMS100とフルークの電圧計。
電圧軽は11V付近でリプル波形を測定すると、どうやらオルターネーターのダイオードが一つ損傷したような波形がでている。
念のため、オルターネーターについているB端子と、4極コネクターの電圧も測定してみました。
オルターネーターの出力端子のB端子はやはり11V付近。
オルターネーターの入力電圧となる4極コネクターの電圧もイグニッション電圧、アース、P端子も問題なく正常である。
ここまで診断するとオルターネーターの故障と判明。
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次に、異音と異臭にも診断をしました、
「異音」の特定部部の故障診断にかかせないのはこの写真の自動車用の聴診器であるサウンドスコープ。
自動車用の聴診器(サウンドスコープ)がなくても、長い棒があれば特定はできるのですがやはり道具!
決して高いものではないので1個は持っておきたい工具である。
簡単にオルターネーター内部から異音が発生しており確認がとれました。
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部品注文・部品交換・最終確認
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新品を購入するのが一番かと思いますが、再生品のリビルトパーツのオルターネーターを使う事でコスト面を抑えることにします。
リビルトメーカーである「信越電装」のオルターネーターを使用します。
なぜ?
信越電装なのかと言えば・・・。
実はこのカルディナは約1年前にも信越電装のリビルトのオルターネーターを使用しており保証期間が残っているため、保証交換としてこの信越電装のオルターネーターを使用しました。
このカルディナの1AZエンジンのオルターネーターの交換はいたって難しくはありません。
たまたま、私はろっ骨にヒビが入っており、ファンベルトのオートテンショナーを緩めるのに少し苦労をしました。
オルターネーターを脱着し、その下に見えてくるのがウォーターポンプとなります。
ファンベルトを外している間にウォーターポンプの軸部分にはガタ等はありませんでしたが、ここで確認できたのが、ウォーターポンプからの水漏れです。
ここから先は有償になるためお客さんと相談し、車検が近いことから車検時にウォーターポンプを交換する事にしました。
リビルトのオルターネーターも届き無事に取り付けて、バッテリーも保証で新品のバッテリーと交換をして、再度バッテリーのプラス端子の電圧測定にはいります。
エンジン回転約2000回転付近まで上昇させてバッテリーの電圧を測定すると14V付近まで上昇するのを確認しました。
あと、オルターネーターのB端子とバッテリーのプラス端子間の測定も計測し0.01Vだったので配線の電圧降下も問題なく無事にオルターネータ交換できました。
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